アメリカの最先端生殖医療と治療事例を紹介①卵巣リジュビネーション

Akira Watanabe
01 Oct 2025

🧬 卵巣リジュビネーションとは?

休眠中の卵巣を“再始動”させ、妊娠につながる卵子をもう一度つくり出そう——そんな発想から生まれた実験的治療が 卵巣リジュビネーション(Ovarian Rejuvenation) です。

この記事でわかること

  1. 卵巣リジュビネーションの対象になる人
  2. 代表的な 3 つの技術(PRP/幹細胞/ミトコンドリア移植)
  3. これまでの研究結果と課題
  4. 費用・リスク・注意点
  5. “試す前”に確認したいチェックポイント

1. どんな人が対象?

  • 卵巣予備能が低い(AMH が低い、卵胞数が少ないと医師から診断を受けた)
  • 早発卵巣不全(POI) と診断された、あるいは周閉経期〜閉経後 だが自分の卵子での妊娠を検討したい
  • IVF を何度か試したが卵巣刺激に反応しにくく、薬が効かない

卵巣リジュビネーション(Ovarian Rejuvenation) はこのような状況に悩む方の卵巣を刺激して、新たな卵子の産生や成熟を促し、自然妊娠や IVF 成績を改善 することを目的とした治療です。

2. 主な技術は 3 つ

いずれも実験段階の治療方法ですが、3つの方法が存在しています。

技術 概要 期待される作用 現在のエビデンス
① PRP 療法 自分の血液から濃縮した血小板を、注射で卵巣に注入する 血小板が放出する成長因子・サイトカインが休眠卵胞を刺激・活性化 小規模研究で AMH/FSH の数値改善や月経回復例あり
② 幹細胞療法 骨髄・脂肪由来の幹細胞を卵巣に注入 卵巣組織の再生および卵胞の発育促進 症例報告はあるが臨床試験継続中
③ 自家ミトコンドリア移植 自分の体細胞由来のミトコンドリアを卵子へ移植 卵子のエネルギー産生を強化し、若返りを期待 初期臨床段階

治療方法の詳しい解説はこちら ➜ 【卵巣刺激と再生医療 Q&A】

3. 研究でわかったこと・まだわからないこと

治療により、卵巣機能の活性化や妊娠につながる結果も出ています。

  • 月経周期が回復した例
    • ①PRP療法により、 ーーーーーどのように回復したのかの記述が欲しいーーーーー
  • **ホルモン値が改善し、**AMHの値が上昇し、、FSHの値が減少した事例もあります
    • ーーーーーこれは①PRP療法によるものか?治療法の記述が欲しいーーーーー
  • 自身の卵子で妊娠した例
    • POIに罹患し早期に閉経していたものの、IVFに成功した症例もあります。ーーーーーこれは③自家ミトコンドリア移植によるものか?治療法の記述が欲しいーーーーー

‍調整が必要

いずれも検証中の治療方法のため、有効性は万全とは言い切れません。

  • 小規模・非対照研究での実施結果であり、成功率は大きくばらつきがあります。
  • 長期的な安全性データが不足

4. 費用・リスク・注意点

項目 内容
承認状況 FDA・日本産婦人科学会いずれも未承認(2025年5月時点)
費用目安 1 サイクル 3,000〜10,000 USD(約 46〜150 万円)
保険適用 公的保険対象外。海外治療は渡航費+滞在費も自己負担
リスク PRP=自己血なので低リスク/幹細胞=採取部位合併症の可能性/長期影響は不明
確認必須 ✔ インフォームドコンセントの内容
✔ 再生医療等安全性確保法の届出状況(国内)
✔ 治験か自由診療か

5. “試す前”にチェックしたい 5 つの質問

  1. 治療目的は明確か?
  2. たとえば「卵巣予備能改善」「採卵数増加」など、具体的な指標を決めましょう
  3. 成功率の実データを示せるか?
  4. 治療方法の決め手として、症例数や妊娠率など、気になる結果の数値的状況を確認しましょう
  5. 安全管理体制は?血液検査・培養工程・感染対策のプロトコルを提示できるか、施設に確認しましょう
  6. 費用や追加コストは?再投与時や合併症対応費も見積もる。
  7. 代替プランは?事前に、治療が期待する結果にならない場合の代替案を検討しておくことはとても重要です。将来設計を総合的に検討し、卵子提供や養子縁組など、幅広い選択肢を視野に入れたり、家族計画を変更するといった判断も時には必要です。

まとめ

  • 卵巣リジュビネーションは “まだ研究途中” の再生医療。
  • PRP・幹細胞・ミトコンドリアなど手法はさまざまだが、長期成績と安全性は未確立の分野です
  • 試すかどうかは「エビデンス × 自分のライフプラン × 費用・リスク」 の三点で総合判断を。